消費者トラブルの現状
まだ私たちが自給自足の生活を送っていた頃は生産者と消費者が同じわけですから、現在のような消費者トラブルはなかったように思います。経済の発達により生産者と消費者が分離し、自分が生産できないものまで手に入れられるという便利さを得た半面、取引市場における様々なトラブルも発生してきました。
大量生産、大量消費の世の中になり、私たちが購入する商品やサービスの情報もより複雑化してそのすべての情報が私たちに届くことが難しくなってきています。
国民生活センターに寄せられた相談の内容を見てみると、かつては商品の安全性に関するものや価格、表示に関するものが多かったのですが、現在はインターネットや携帯電話などによる情報サービスの架空請求や不当な請求に関する相談が多くを占め、消費者トラブルも様変わりしより複雑になってきているのがわかります。
5年ほど前から国民生活センターにはこれらの架空請求などの相談が急激に増え、それまでの訪問販売やマルチ商法に関する相談が窓口に入りづらかったとも言えるでしょう。
相談件数の多い品目としては上記の電話情報サービスの他にサラ金、教養教材、賃貸マンションなどが挙げられています。被害額が高額になりやすい手口としては電話による勧誘販売、次いで家庭訪問による販売、無料商法が挙げられます。
この他マルチ商法、エステや英会話教室、内職商法、モニター商法、キャッチセールス、点検商法など、私たち消費者の心理状態を巧みに利用して契約に至らせるという様々な手口があります。
もちろん、私たちの生活に必要な契約のすべてを疑ってかかれというわけではありません。しかしプロが用意した騙しの手口に関する知識をつけておけば、面倒なトラブルに巻き込まれることは未然に防げるでしょう。