クーリングオフ制度も完璧ではない

 

言葉巧みに近づいてくるセールスマン、断りきれずに契約してしまったがクーリングオフのおかげで大きな被害に遭わずに済んだ、という人もいると思います。クーリングオフは負担をかけずに解約できるため、被害に気付いたのが早かった場合、もっとも有効な対応手段と言えます。

 

具体的には契約から一定期間内なら契約を解消でき、支払った料金が払い戻される制度です。消費者にとっては万能な制度に思われがちですが、実はクーリングオフをするにはクリアしなければならない要件がいくつもあるのです。

 

クーリングオフできるのは3000円以上の商品で、インターネットや店舗内で購入したものは対象外となっています。ネットショッピングでも店舗での買い物でも、自分の意思で自主的にアクセスして(出向いて)購入を決めたのですから、クーリングオフは活用されません。店舗側が返品可能としてくれているのは店側のサービスで、それを当たり前の権利と勘違いしている人も少なくありません。

 

また訪問販売、キャッチセールス、電話勧誘においてクーリングオフができる商品は限られています。指定されていない商品やサービスの場合はクーリングオフ適応外となってしまいます。

 

しかし被害報告の多い商品に関しては法改正によって指定商品に加えられていくので、自分が被害に遭ったときは消費者センターや国民生活センターに報告をしましょう。

 

このように消費者の生活を完璧に守るとは言えないクーリングオフ制度、その抜け道を通って高価な商品を売りつけてくる悪徳業者も後を絶ちません。

 

また国民生活センターでは、布団の訪問販売において業者がクーリングオフを回避する手段を取っているケースも報告されています。必ずしもクーリングオフ制度が身を守ってくれるわけではないので「あとでクーリングオフすればいい」と、気乗りしない契約を軽い気持ちで結ぶことはやめましょう。

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